【我ら音楽マサイ族】
噺家が歌う「恋するふたり」、稀代の怪作。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日再発売されたこちらの一枚です。

 リハビリテーション/三遊亭円丈 (CDSOL-1954)

三遊亭円丈は痩せた風貌と眼鏡がトレードマークの人気落語家。師匠である六代目三遊亭圓生が存命の頃は、新作嫌いの師匠の手前、古典落語ばかりを演じていました。しかし円丈の持ち味は、何と言っても新作落語。1979年に師匠が他界したあと、自作による奇想天外な新作を次々に手掛け、好評を博しました。

そんな彼が1981年にトリオレコードからリリースしたアルバムが、この「リハビリテーション」。野球中継という体で繰り広げられる小ネタや、モールス信号を使った小咄など、いかにも落語家という収録内容で、毒の強いブラックユーモア、キワどいネタが満載の一枚です。

その中でひときわ異彩を放つのが、「恋のホワン・ホワン」。これ、実は79年発表のニック・ロウ「Cruel To Be Kind(恋するふたり)」のカバー。ドーナツ盤でもリリースされているこの円丈バージョンは、中古市場において数万円で取引きされていたという逸話があるほどの珍品です。

今回、この驚愕のアルバムが復刻と相成りました。怒涛のごとくパロディが飛び出す、ユーモアに満ちた衝撃作。カテゴライズできない珍盤を、この機会にぜひどうぞ。

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