【我ら音楽マサイ族】
彼こそは「タンゴの破壊者」にして「タンゴそのもの」。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今日リリースされたこちらのCDです。

リベルタンゴ ~ ピアソラ・フォーエヴァー/オムニバス (UCCS-1293)

アストル・ピアソラは1921年にアルゼンチンで生まれた作曲家にしてバンドネオン奏者。バンドネオンとは蛇腹を持つ鍵盤楽器で、その形状はアコーディオンを連想させますが、アコーディオンが左右非対称であるのに対し、バンドネオンは左右対称です。アコーディオンは左手だけで蛇腹を押し引きしますが、バンドネオンは両手でそれを行うため、より音にメリハリが付けやすいという特徴があります。

コンサーティーナという楽器に改良を加えて、19世紀のドイツで生まれたバンドネオンは、20世紀初頭までにはアルゼンチンへ大量に持ち込まれ、それ以来アルゼンチン・タンゴに欠かせない楽器として定着しました。こうしてタンゴの「伴奏」のために使われるのが通例となっていたバンドネオンを、音楽の「主役」としてフィーチャーすることを思いついたのが、ピアソラです。

タンゴを基盤として、そこにクラシックの構造やジャズの要素を採り入れ、既存のタンゴの概念を覆し続けた彼の評価には、常に賛否両論が入り混じっていました。「タンゴの破壊者」「踊れないタンゴ」「20年早すぎた」と言われ、タンゴの本流とは違う彼の音楽は、それでもアルゼンチンというローカルのしがらみを軽く越えて、世界的な高評価を得るに至っています。

今年はピアソラ生誕100周年ということで、それを記念したCDリリースが実現しました。「リベルタンゴ ~ ピアソラ・フォーエヴァー」もその中の1枚で、ピアソラが作曲した器楽曲・オーケストラ曲を含む代表作が、それぞれ名演によって収められている、珠玉のオムニバス盤です。

同時発売として、彼がフィリップスとポリドールに遺したレア盤7タイトルも、全て高音質CDでリイシューされました。合わせて8枚、この機会にピアソラの世界を覗いてみませんか。

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