みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。
「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらのオムニバス盤です。
<ベスト・オブ・昭和> 思い出のTV主題歌集 ~俺たちの旅~ (COCP-41456)
タイトルの通り、往年のテレビ番組の主題歌をまとめた編集盤。「ベスト・オブ・昭和」シリーズとして、「思い出のラジオ・テーマ集 〜カム・カム・エヴリバディ〜」とともにリリースされました。
同じように「昭和」をコンパイルしたこれらのCDですが、「ラジオ」のほうはさすがに時代が古く、NHKラジオ『平川先生の英語会話』や同局『鐘の鳴る丘』など戦後まもなくから、ニッポン放送『少年探偵団』やラジオ東京(現・TBS)『赤胴鈴之助』など昭和30年代までの番組テーマが収録されています。
対してこちら「テレビ」のほうは、新しいもので1981年(昭和56年)の番組までが網羅されており、『銭形平次』『若者たち』『おはなはん』といった昭和40年代からのドラマ主題歌がまとめられています。
こういった「テーマ曲集」のようなオムニバス盤はこれまでにもレーベル各社から数多くリリースされており、今回のように新しいアイテムが登場しても、もはや初出の音源はほとんどないのが実情です。それでもこの一枚を採り上げましたのは、収録曲に貴重な一曲『美しい昔』が含まれているためです。
『美しい昔』は、ベトナム人シンガー、カイン・リーが歌った楽曲です。「ベトナムのボブ・ディラン」と呼ばれた作曲家、チン・コン・ソンの作品で、カインが1970年に大阪万博のステージで歌ったことがきっかけで、翌年日本でレコード化されました。(この時の曲名は『雨に消えたあなた』) そののち、『サイゴンから来た妻と娘』の主題歌として79年に再発売されました。(その際に『美しい昔』へ改題) 今回、この曲が収録されたことは私にとって大きな収穫なのです。
さすが、まさいさん、最近はよくこの手のモノ、見かけるようになりましたね。
NHKのラジオ深夜便でも、たまに昭和のテレビ番組主題歌やBGM流れると、聞き入ります。