【我ら音楽マサイ族】
消えそうで揺るがないウィスパー、豊かな倍音。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月リリースされたこちらの新譜です。

Simple is best/手嶌 葵

両親から受けた影響で、幼い頃から『パリの恋人』『メリー・ポピンズ』など往年のミュージカル映画に親しみ、そしてルイ・アームストロング、ビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルドといったジャズシンガーが好きだったという手嶌 葵。こうした映画音楽やジャズの体験が、彼女の音楽観のルーツになっているといいます。

2006年公開のジブリ映画『ゲド戦記』のテーマソングに、無名の新人ながら大抜擢(ヒロインのテルー役として声優も務めました)。この「テルーの唄」でメジャーデビューし、オリコン初登場5位を記録するヒットとなりました。

以降、その儚げで透明感のある独特のウィスパーボイスでコンスタントに活躍を続けてきた彼女ですが、今年でデビュー15周年を迎えました。その記念として6月2日にリリースされましたのが、今回ご紹介するオールタイムベストアルバム『Simple is best』です。

最新リマスタリングが施されたこのベスト、発売に当たっては3つのバージョンが用意されています。まずはCD1枚仕様の通常盤(VICL-65505)。上述の「テルーの唄」をはじめ、人気の高い「さよならの夏」「明日への手紙」「瑠璃色の地球」などを網羅した、全15曲。

SHM-CD(高音質仕様)でリリースされたCD2枚組の限定盤(VICL-70246~7)は、通常盤の15曲に加えて、さらにディスク2に15曲を追加収録した、計30曲という大満足のボリューム。

そして3種目は、通常盤+ライブDVDという完全生産限定盤(VIZL-1906)。実はこれまで本格的なライブ映像はソフト化されたことがなく、そういう意味でもファンが待ち望んだセット内容となっています。

手垢にまみれた感のある「癒し」というワードですが、この方の歌声はまさに「癒し」の倍音を湛えています。しかも、決して芯を失わない、しっかりとした歌声。「ちょっと疲れたな」と弱気になったその時、きっとこのベスト盤はそっと優しく、包み込むように、寄り添ってくれることでしょう。

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