【スマイルシェア便り】ホテル学校 停滞の時こそ

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41回目は「ホテル学校 停滞の時こそ」についてです。

 

 

 アルプスを望むスイス西部ローザンヌ。レマン湖のほとりに広がる景勝地だ。格付け本「ミシュランガイド」で2019年から3年続けて一つ星を獲得しているレストラン「べルソー・デ・サンス」を訪れ、テーブルに着いた。担当のエステル・キャリ(19)が週替わりのランチメニューを説明してくれるが、どこかぎこちない。選んだ白アスパラガスの一皿に合うワインは何かと聞いてみる。「実は…。お酒はあまり詳しくないんです」。後ろに控えていた男性がすかさずメモを手渡し、助け舟を出す。キャリアを指導する教官だった。

 

 世界最高峰

 フランス語で「感性のゆりかご」を意味するこの店は「ローザンヌホテル学校(EHL)」の中にある。1893年に創設された世界初のホテル学校。宿泊やレストランなどホスピタリティー(接客)業に携わる人材の養成機関として「世界最高峰」と称されている。一般の大学と同じく4年間、専門知識を教え込む。修士課程もある。約3700人が学んでいるが、キャリのようなスイス人は3割ほどで、残りは約120か国・地域からの留学生が占める。

 べルソー・デ・サンスのスタッフの4人に3人もEHLの学生。教育施設でありながら、一般客向けにも営業する異色店だが、予約は1ヶ月待ちの場合もある人気だ。学生らは毎週入れ替わり、給仕、調理、受付と、あらゆる役割を経験していく。レストランは、EHLの学食やカフェと同様、教官の指導を受けながら生徒が実務を担う「教室」だ。

 店を仕切っているのは、EHL講師のセドリック・ブハサン(41)。シェフとして北海道の三つ星レストランを率いたこともある。入学前に料理経験が全くないという若者も多い。しかし「最終確認は私がやるが、8割方は学生の手による調理だ」と明かす。「集中することが重要」と説き、調理場の壁にも「お静かに。料理中です」という標語を掲げる。「感性」を育むキッチンは、騒々しさや怒号とは無縁だ。

 

 多様な学生 接客の原点追及 別次元の打撃

 アルプスの大自然に恵まれたスイスは19世紀以降、登山鉄道敷設などの観光開発が進み、接客人材の需要が高まった。EHLをはじめ、約20のホテル学校を抱え、スペシャルリストを供給してきた長い伝統を誇る。「『ホテル学校といえばスイス』というのは昔から有名。他国からも高い評価を受けている」と話すのは、スイス有数の観光地、中部の古都ルツェルンの学校で学んだ石川尚之(44)。

 石川は2004年から、この地の老舗ホテルのフロントに立つ。業績はこの間、基本的に右肩上がりだった。特に10年代は「ものすごい好調」で、繁忙期には満室が続いた。だが新型コロナウイルスの大流行で状況は一変。09年に新型インフルエンザが広がった時も客足が減少したが「全く別次元のダメージを受けた」という。昨年夏の利用客は「例年の2割ぐらいの感じだった」と振り返る。今年1~3月はさらに悪化し、あまりの宿泊者の少なさに営業停止を余儀なくされた。

 他の観光地も例外ではない。昨年、スイスを旅した外国人客が使ったお金の総額は、前年のほぼ半分の94億スイスフラン(約1兆3000億円)に落ち込んだ。海外旅行が今ほど普及していなかった1990年代前半の水準。元に戻るのは早くても2024年以降と当局は見込む。吹き付ける逆風はかつてなく厳しい。

 

 過去最多600人

 ところが、不思議な現象が起きた。昨年9月にEHLに入学した学生が600人を超え、過去最多を記録した。教務責任者のフアン・ペレヨン(50)は「停滞する時期こそ、人は学ぼうとするのだ思う」と話す。人との触れ合いが制限されるコロナの時代。「学問と実践の融合」を通じ、ホスピタリティーの原点を追い求める姿勢が評価されているとペレヨンは胸を張る。「世界中から来た仲間と話し、接し、多様性と向き合う。EHLはそんな取り組みを重視している。人をもてなす力が身に付けば、あらゆる業種に生きてくる」。

 調理や給仕、清掃といった実習を担うのは1年生が中心。「経営者や指導者になろうとするなら、まずは現場で働く人たちの気持ちが分からなければならない」と職員の一人は説明する。不動産金融学を教える准教授の森政貴(46)は今年2月、英国の大学から移籍してきた。「厳しい状況に直面している業界を卒業生が支え、復活に寄与していくことが理想だ」と意気込む。「みんな目的意識がすごく高く、教えがいがある」と森は言う。講義で向き合う学生達から刺激を受けながら、コロナにあえぐホスピタリティー業の明日を紡ぐ。

 

 

 

(熊本日日新聞 2021.8.30より抜粋・引用)

 

 

 新型コロナウイルスにおける世界の影響もまだまだ収まりが見えないようです。ミシュランガイドで一つ星レストランであっても客足が途絶えているとのことです。しかしながらそのホテル学校には過去最多の入学者を迎えたということ。記事の中にもありますが「停滞する時期こそ、人は学ぼうとするのだと思う」という言葉は、本当にその通りだと思います。順調にいっているときというのは、ひたすら現状の事を継続しがちなものですが、困難に直面すると、今までのやり方や考えを改め、新しい事、現状の改善など様々なことを様々な角度から見て考えるようになると思います。今、その転換期かと思います。今苦戦していることの中にはいくつものビジネスチャンスが眠っているのだと思います。社会の変化に取り残されないよう様々なアンテナを張り巡らし、この危機を乗り切りましょう。

 

 

 

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