【我ら音楽マサイ族】
「新」にして「真」のミックスで高音質化。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月21日リリースの配信限定シングルです。

 

 

銀河鉄道999 〜シン・ミックス〜/ゴダイゴ (COKM-43391)

 

 

 

1975年にソロデビューしたタケカワユキヒデ氏と、ミッキー吉野氏率いる「ミッキー吉野グループ」が出会い、ゴダイゴ(Godiego)結成。タケカワ氏の2ndアルバムとして制作が始まっていた『組曲:新創世記』は、結果的にゴダイゴのデビューアルバムとして1976年にリリースされました。

以降、ドラマ「いろはの”い”」、映画「ハウス」、特撮ドラマ「小さなスーパーマン ガンバロン」、映画「キタキツネ物語」、ドラマ「男たちの旅路」、さらにCMも多数と、短期間のうちにタイアップの仕事に恵まれた彼らは、認知度をジワジワと上げていきます。そして一躍ゴダイゴを有名にしたのが、78年のドラマ「西遊記」。主題歌「モンキー・マジック」「ガンダーラ」は空前の大ヒットを記録しました。

そんなゴダイゴの作品群の中でとりわけ根強い人気を誇る、「銀河鉄道999」。79年公開の劇場版「銀河鉄道999」の主題歌としてリリースされた本作は、今なおCMで使用されるなど、広く愛され続けています。

さて、76年のデビューから今年で45年目を迎えたゴダイゴ、その記念としてこのたびリリースされたのが、「銀河鉄道999 〜シン・ミックス〜」。CDでのリリースはなく、配信限定シングルとなっています。公式ホームページによれば、「シン・ミックス盤とは、オリジナルマスターテープを最新のデジタル技術でハイレゾ音源にして『真』の音を抽出。新たにミックスして、黄金時代のゴダイゴを現代に蘇らせることに成功した音源。」とのこと。新ミックスにして真ミックスというわけです。

実際に聴いてみると、その音に本当に驚かされること必至です。「オリジナルマスターテープから音を抽出」とありますが、おそらくマルチトラックまで遡って再ミックスしていると思われます。オリジナル音源の「銀河鉄道999」では、ボーカルにはかなり深めのリバーブとエコーがかかっていますが、シン・ミックスではスッキリと処理されています。また、オリジナル音源では全般に渡ってダブルトラックボーカルなのですが、シン・ミックスではBメロだけ一声になっています。それらが相まって、タケカワ氏の歌声のリアリティが格段に増しているのです。

楽器ごとのセパレーションも向上しており、オリジナル音源にあった「ひとかたまり感、混在感」が解消され、音量を上げても「煩わしさ」を感じません。併せて高音・低音の抜けも良く、バスドラムの「バタバタ感」も自然になりました。

ちなみに、シングルB面の「テイキング・オフ!」も同様にシン・ミックス化されており、こちらも素晴らしくブラッシュアップされています。このようにとても満足のいく再ミックスですので、なおのこと、配信限定ではもったいない…というのが私の本音です。より多くのリスナー層にこの音が届くよう、CDでのリリースも心待ちにしているところです。

【我ら音楽マサイ族】
大物作詞家の作品集、CD5枚組で登場。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらのCDボックスです。

 

 

 

リリシスト ~山川啓介ソングブック (COCP-41448~52)

 

 

 

山川啓介は作曲家にして、子供番組の脚本・構成も手掛けた人物。2017年7月に72歳で逝去するまでに数多のヒット曲を世に送り出し、またNHK『おかあさんといっしょ』では人形劇の脚本3500話、ならびに劇中歌のすべてを作詞するなど、その創作意欲には目を見張るものがあります。

そんな氏の偉業をCD5枚にまとめたボックスがこのたびリリースされました。『リリシスト ~山川啓介ソングブック』と題されたこの5枚組は、まずディスク1におなじみのヒット曲を網羅。「太陽がくれた季節/青い三角定規」「ふれあい/中村雅俊」「銀河鉄道999/ゴダイゴ (奈良橋陽子との共作)」「Mr.ブルー ~私の地球~/八神純子」「聖母(マドンナ)たちのララバイ/岩崎宏美」など、21曲。ディスク2はレアリティ・ソングスということで、知る人ぞ知る名曲の数々を21曲。ディスク3は番組のテーマソングを25曲。ディスク4は子供向けの楽曲を36曲。そしてディスク5は訳詞を手掛けた外国曲を21曲。「百万本のバラ/伊東ゆかり」「愛の園/西城秀樹」「哀愁のカサブランカ/郷ひろみ」などが含まれます。

とてもこれだけでは氏の仕事を収めきれるはずもありませんが、楽曲のテーマ・ジャンルごとに分かりやすく、聴きやすくまとめたことには大きな意義があると思われます。CD5枚組、税込13,200円という価格も、購入を促すにあたってギリギリのボリューム設定でありましょう。

ヒット曲・有名曲一覧としてディスク1・3はとても便利で、またレア曲コレクターとしてディスク2・4・5の価値は非常に高いものがあります。気になる方はぜひチェックを。

【我ら音楽マサイ族】
デビュー45周年、旧作を新価格にて一斉再発売。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは先月23日にリリースされたこちらの再発盤です。

生まれたところを遠く離れて/浜田省吾 (SECL-3001)

ロックバンド「愛奴」のドラムス担当として1975年にデビューし、同年脱退。翌年にソロデビューを果たした浜田省吾。今年はそのソロデビューから45年目ということで、これまでのアルバム・シングル59タイトルをまとめてリプライス・再発売する、「SHOGO HAMADA 45th Anniversary “DISCOGRAPHY COLLECTION”」キャンペーンが実施されています。

特に1976年発表のデビューアルバム『生まれたところを遠く離れて』(今回ご紹介させて頂きました)から82年のライブアルバム『ON THE ROAD』までは最新リマスターが施されており、この点も嬉しい限りです。

自らの意思とかけ離れた音作りを強いられたとされる初期アルバム5作は、本人が廃盤を望んでいたとも言われています。しかし、敢えて今それらをあらためて聴くと、興味深い発見がいくつもあってハッとさせられます。爽やかな都会派ポップを望まれていた中でスマッシュヒットした5th収録「風を感じて」までの流れと、本来目指していたロックへと思い切り舵を切った6th以降の作風とが実に好対照で、そのいずれもが浜省の躍進には必要であったのだと確信できるはずです。

もしまだ手に取ったことのない一枚がありましたら、お求めやすくなったこの機会にいかがでしょうか。

【我ら音楽マサイ族】
多彩な才能が凝縮された一枚が、高音質で再登場。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらの再発盤です。

COSMOS’51 ≪2021 SPECIAL EDITION≫/鈴木 茂

鈴木 茂はギタリストにして作曲家。アレンジャーやセッションギタリストとして伝説級の活躍をしていることで余りにも有名です。

1969年、細野晴臣・大瀧詠一・松本 隆とともに「はっぴいえんど」(当初のグループ名は「ヴァレンタイン・ブルー」)を結成し、日本語ロックのエポックとなりました。解散後、細野・林 立夫、松任谷正隆と新たに結成した「キャラメル・ママ」(のちのティン・パン・アレー)での活動を経て、1975年にソロ作『バンドワゴン』をクラウンからリリース、好評を博しました。

この『バンドワゴン』から計5枚のアルバムが、クラウンのPANAMレーベルから発表されています。クラウン時代の作品は度々CD化されているのですが、本日また新たに5thアルバム『COSMOS’51』が再発されましたのでご紹介です。

直近では2017年にもリマスター盤が発売されている『COSMOS’51』。ただし今回は、タイトルに「2021 SPECIAL EDITION」と付けられている通り、特別仕様となっています。すなわち、単なるリマスターではなく、オリジナルの24chアナログマルチテープを用いて鈴木 茂自らがリミックスを施し、リフレッシュしたサウンドが堪能できるという趣向です。このリミックスシリーズ、2018年には3rd『Caution!』が、2020年には4th『TELESCOPE』がリリースされており、それに続く今回の『COSMOS’51』の登場ということになります。

ソウル・ラテンといったジャンルをロックへ昇華したクロスオーバー・サウンドが、ブラッシュアップされた音質で蘇っています。オリジナルアルバム収録の10曲に加え、コロナ禍の中で録音されたカバー「UNCHAINED MELODY」、オリジナル楽曲のカラオケトラック7曲、鈴木本人からのコメント1トラック、あわせて19トラックというボリュームで、聴き応えのある一枚となっています。

【我ら音楽マサイ族】
名演の誉れ高いライブを、ついに完全収録。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらのライブ盤です。

RHAPSODY NAKED Deluxe Edition/RCサクセション (UPCY-7724~6)

1970年にメジャーデビューを果たしたRCサクセション。当初の彼らはフォーク形態でしたが、のちにエレキ・ロックへとシフトします。そうして新スタイルとなった彼らが最初に放ったアルバムが、ライブ盤『RHAPSODY』。1980年4月、東京・久保講堂における実況録音で、全9曲が収められています。前作『シングル・マン』以来4年振りとなったこのアルバムは、半年以上に渡ってロングヒットを記録し、彼らのターニングポイントとなった記念碑的作品です。

今回、このアルバムの元となったライブ音源が、全曲「完全収録」にて発売されました。それがこの『RHAPSODY NAKED Deluxe Edition』。発表済みの9曲に加え、さらに9曲。CD2枚、全18曲で久保講堂のライブを完全再現するに至りました。もちろん最新リマスターによって、音質にも磨きがかかっています。

そして3枚目「Official Bootleg Disc」には、スタジオライブやリハーサル音源など、こちらもレアなソースが10トラック収録されていて、何とも嬉しい限り。

6/9の発売予定から3週間もリリースが延びてヤキモキさせられましたが、無事発売にこぎつけたこの貴重な名演の記録、手に入れられるうちに、ぜひどうぞ。

【我ら音楽マサイ族】
入手困難なシティポップの名盤、待望の復刻!

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらの復刻盤です。

MARI & REDSTRIPES/MARI(杉 真理) & REDSTRIPES (VICL-65520)

このたびビクターより、名盤の誉れ高いシティポップのアルバム群を厳選して復刻する、「マスターピース・コレクション シティポップ名作選」全17タイトルがリリースされました。

ラインナップは、南 佳孝、石黒ケイ、ブレッド&バター、丸山圭子、高木麻早、りりィ、惣領泰則とジム・ロック・シンガーズなど。さらに山本潤子らのプロジェクト作、南 佳孝・斎藤 誠・村田和人・重実 徹らによるユニット、大貫妙子・矢野顕子・EPO・かの香織・平松愛里らが参加したカバーアルバムなど、レア作の数々も含まれています。初CD化も多数で、ファン待望の復刻企画です。

中でも推したいのは、1977年発表のアルバム『MARI & REDSTRIPES』。このMARIとは杉 真理のことで、バンドというよりは実質的に「杉 真理とサポートメンバーたち」というのが実態でした。これが杉のデビュー作であり、体調不良による活動休止を経てCBSソニーへ移籍する前の、貴重な彼の足跡となっています。オリジナルアルバム収録の12曲に、シングル曲「思い出の渦」を追加した全13曲仕様となっており、この点も嬉しい限りです。

当時、日本のシティポップは「世界標準」とまで評されていました。いま一度、あのサウンドに浸ってみませんか。ご存知の方には堪らない懐かしさが、ご存知ない方には心地よい新たな発見が、それぞれ待っていること請け合いです。

【我ら音楽マサイ族】
ニューノーマルの今に贈る、4年振りのアルバム。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月2日にリリースされたこちらの新譜です。

LOVE PERSON/徳永英明

中学3年生の時、井上陽水の「氷の世界」に衝撃を受け、音楽を志すようになった徳永少年。19歳でミュージシャンを目指して上京し、努力の末1985年、第2回マリンブルー音楽祭においてグランプリを受賞。そして翌年のレコードデビューに至りました。

今年でデビュー35周年を迎えた彼が、「身近な人への愛と感謝」をコンセプトに制作した4年振りとなるオリジナルアルバムが、今回ご紹介する『LOVE PERSON』。このニューノーマルの時代に相応しいテーマの、全13曲が収録されています。

この『LOVE PERSON』には5つのバージョンが用意されており、CD1枚仕様の「通常盤」のほかに、「写真集付限定盤」、「MTV Unplugged映像盤」、セレクション盤付きの「MY BEST-VOCALIST-盤」「MY BEST-ORIGINAL-盤」とラインナップされていますので、ご興味のある向きはぜひ早めにチェックを。

【我ら音楽マサイ族】
消えそうで揺るがないウィスパー、豊かな倍音。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月リリースされたこちらの新譜です。

Simple is best/手嶌 葵

両親から受けた影響で、幼い頃から『パリの恋人』『メリー・ポピンズ』など往年のミュージカル映画に親しみ、そしてルイ・アームストロング、ビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルドといったジャズシンガーが好きだったという手嶌 葵。こうした映画音楽やジャズの体験が、彼女の音楽観のルーツになっているといいます。

2006年公開のジブリ映画『ゲド戦記』のテーマソングに、無名の新人ながら大抜擢(ヒロインのテルー役として声優も務めました)。この「テルーの唄」でメジャーデビューし、オリコン初登場5位を記録するヒットとなりました。

以降、その儚げで透明感のある独特のウィスパーボイスでコンスタントに活躍を続けてきた彼女ですが、今年でデビュー15周年を迎えました。その記念として6月2日にリリースされましたのが、今回ご紹介するオールタイムベストアルバム『Simple is best』です。

最新リマスタリングが施されたこのベスト、発売に当たっては3つのバージョンが用意されています。まずはCD1枚仕様の通常盤(VICL-65505)。上述の「テルーの唄」をはじめ、人気の高い「さよならの夏」「明日への手紙」「瑠璃色の地球」などを網羅した、全15曲。

SHM-CD(高音質仕様)でリリースされたCD2枚組の限定盤(VICL-70246~7)は、通常盤の15曲に加えて、さらにディスク2に15曲を追加収録した、計30曲という大満足のボリューム。

そして3種目は、通常盤+ライブDVDという完全生産限定盤(VIZL-1906)。実はこれまで本格的なライブ映像はソフト化されたことがなく、そういう意味でもファンが待ち望んだセット内容となっています。

手垢にまみれた感のある「癒し」というワードですが、この方の歌声はまさに「癒し」の倍音を湛えています。しかも、決して芯を失わない、しっかりとした歌声。「ちょっと疲れたな」と弱気になったその時、きっとこのベスト盤はそっと優しく、包み込むように、寄り添ってくれることでしょう。

【我ら音楽マサイ族】
当時の空気感を閉じ込めたライブ盤、待望の復刻。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは先月リリースされたこちらの復刻CDです。

フラワー・コンサート/アグネス・チャン (BRIDGE-322)

1971年、ジョニ・ミッチェルの名曲『サークル・ゲーム』(この曲はバフィー・セント=メリーのバージョンが映画「いちご白書」で使用され広く認知されました)を、姉の陳依齡(チャン・イーリン[アイリーン・チャン])とともに歌った、陳美齡(チャン・メイリン[アグネス・チャン])。この曲は香港でリリースされたオムニバスLPに収録され、シングルカットもされて好評を博しました。

その翌年、香港のテレビ番組でアグネスと知り合った平尾昌晃によって日本に紹介され、1972年11月25日、『ひなげしの花』で日本デビューを果たしました。以降、翌73年にかけて『妖精の詩』『草原の輝き』『小さな恋の物語』と、たちまちチャート上位の常連となったのでした。

そんな彼女のライブ盤が、このたび最新リマスターを経て待望のCD化。(CDボックスセットとしてのCD化はされていますが、単体でのCD化は今回が初) 今回ご紹介したこちらは、73年9月15日に行われた東京・草月会館での実況録音盤。まだシングル曲も『ひなげしの花』『妖精の詩』『草原の輝き』と少ない中、それらヒット曲ももちろんセットリストに採り上げながらも、洋邦幅広くセレクトされたカバーソングの数々が聴きどころとなっています。

例えば、香港での実質上のデビュー曲『サークル・ゲーム』。来日後にも再レコーディングしているほどの「お気に入り」の一曲で、このライブでも披露。デビュー当時のフォーキーなテイストに満ちた、魅力的な表現です。他にも『幸せの黄色いリボン』(原曲:ドーン)、『悲しき天使』(ソ連歌謡 メリー・ホプキンによってヒット)、『ウィズアウト・ユー』(原曲:バッドフィンガー ニルソンのカバーでヒット)などは出色の出来栄えといえます。

なお、この「フラワー・コンサート」と同時発売で、75年リリース『ファミリー・コンサート』(ムーンライダースがアレンジを担当)、76年リリース『また逢う日まで』(カナダ留学のため活動を休止する直前のライブ)と、合わせて3枚の貴重なライブ盤が、いずれも最新リマスターでラインナップされています。アーティストと観客とが作り出す、当時ならではの雰囲気、空気感に触れられるのはライブ盤ならではのもの。この機会にお手に取ってみてはいかがでしょうか。

【我ら音楽マサイ族】
遠くなりゆく「昭和」の記憶をまとめたコンピ。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらのオムニバス盤です。

 <ベスト・オブ・昭和> 思い出のTV主題歌集 ~俺たちの旅~ (COCP-41456)

タイトルの通り、往年のテレビ番組の主題歌をまとめた編集盤。「ベスト・オブ・昭和」シリーズとして、「思い出のラジオ・テーマ集 〜カム・カム・エヴリバディ〜」とともにリリースされました。

同じように「昭和」をコンパイルしたこれらのCDですが、「ラジオ」のほうはさすがに時代が古く、NHKラジオ『平川先生の英語会話』や同局『鐘の鳴る丘』など戦後まもなくから、ニッポン放送『少年探偵団』やラジオ東京(現・TBS)『赤胴鈴之助』など昭和30年代までの番組テーマが収録されています。

対してこちら「テレビ」のほうは、新しいもので1981年(昭和56年)の番組までが網羅されており、『銭形平次』『若者たち』『おはなはん』といった昭和40年代からのドラマ主題歌がまとめられています。

こういった「テーマ曲集」のようなオムニバス盤はこれまでにもレーベル各社から数多くリリースされており、今回のように新しいアイテムが登場しても、もはや初出の音源はほとんどないのが実情です。それでもこの一枚を採り上げましたのは、収録曲に貴重な一曲『美しい昔』が含まれているためです。

『美しい昔』は、ベトナム人シンガー、カイン・リーが歌った楽曲です。「ベトナムのボブ・ディラン」と呼ばれた作曲家、チン・コン・ソンの作品で、カインが1970年に大阪万博のステージで歌ったことがきっかけで、翌年日本でレコード化されました。(この時の曲名は『雨に消えたあなた』) そののち、『サイゴンから来た妻と娘』の主題歌として79年に再発売されました。(その際に『美しい昔』へ改題) 今回、この曲が収録されたことは私にとって大きな収穫なのです。

【我ら音楽マサイ族】
デビュー50周年を記念したラブソング・ベスト。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらの編集盤です。

あたしだってLove song!/イルカ (CRCP-20574~5)

神部和夫・山田嗣人(パンダ)・嘉屋泰雄の三人によって結成されたフォークグループ、「シュリークス」。1969年にシングル『君よ!人生は』でコロムビアからデビューし、嘉屋の脱退、所太郎の加入を経て、70年に東芝へ移籍しシングル2枚を発表します。そして71年、このトリオに四人目として加入したのが保坂としえ。シングル『君の生まれた朝』をリリース後、山田と所が抜け、シュリークスは神部と保坂の二人組となりました。のちにこの二人は結婚することになります。

さて、この保坂としえこそ、フォークシンガー、イルカです。74年に『あの頃のぼくは』でソロに転じた彼女は、75年『なごり雪』、77年『雨の物語』、産休を経て79年『海岸通』とヒットを重ね、人気を不動のものにしていきました。また熊本市民にとっては、熊本市制100周年を記念して89年に制作された『光るグリーンシティ』のシンガーとしてもお馴染みでしょう。

こうして、シュリークス加入から今年で50年を迎えたイルカ。それを記念して、2枚組のベストアルバムがリリースされました。『あたしだってLove song!』というタイトルの通り、厖大な作品群の中からラブソングのみをセレクトして、35曲が収録されています。うち1曲は今回のために用意された新曲、タイトルチューンの『あたしだってLove song!』で、変わらぬイルカワールドを聴かせてくれます。また、封入されている36ページに及ぶヒストリーブックも読み応え十分で、彼女の「50年の足跡」を追うのに相応しいボリュームとなっています。

【我ら音楽マサイ族】
ゴダイゴの名ギタリストを偲ぶインスト・ベスト。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月14日にリリースされたこちらの編集盤です。

アコースティック・カヴァーズ・オヴ・ゴダイゴ~ベスト・セレクション/浅野孝已

ゴダイゴのギタリストとして知られる浅野孝已(あさの たかみ)。中学生にしてセミプロ、16歳で高校を辞めプロとなり、複数のバンドを経てミッキー吉野グループ(のちのゴダイゴ)に加入したのが1975年、24歳の時でした。

その卓越した演奏テクニックはもとより、レコーディングの際にギターシンセサイザーを導入したり、メーカーと協力してギターの開発に取り組むなど、常に「新しい音」を追求したギタリストです。近年も再始動したゴダイゴなどで精力的に活動していましたが、2020年5月、68歳の若さで逝去されました。

そんな彼が、ゴダイゴ時代の楽曲をギター中心のサウンドにリアレンジするというコンセプトでリリースしてきたのが、「アコースティック・カヴァーズ・オヴ・ゴダイゴ」シリーズ、全8作。そして、このCDシリーズからアコースティックな演奏17曲を厳選しコンパイルしたのが、ご紹介した『アコースティック・カヴァーズ・オヴ・ゴダイゴ~ベスト・セレクション』。

ゴダイゴファンのみならず、上質なインストゥルメンタル・アルバムとして広くおすすめしたい、ギターの魅力に満ちあふれた追悼盤です。

【我ら音楽マサイ族】
当時のイメージそのままに、41年後の再録音。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月1月にリリースされたこちらの配信シングルです。

青い珊瑚礁 ~Blue Lagoon~/松田聖子

1980年のデビュー以来、精力的に活動を続けている松田聖子。40周年を迎えた昨年は、彼女の詞に財津和夫が曲を書いた新曲「風に向かう一輪の花」や、それを含むニューアルバム『SEIKO MATSUDA 2020』(オリコンチャート デイリー1位、ウィークリー3位)を発表。このアルバムには他にも「SWEET MEMORIES ~甘い記憶~」や「瑠璃色の地球 2020」のように、自身のヒット曲の再録音が収録されていました。

その流れを受けてか、配信シングルとして今回リリースされたのが「青い珊瑚礁 ~Blue Lagoon~」。これはもう曲名からお分かりのことでしょう。「裸足の季節」に続く、1980年7月発表のセカンドシングル「青い珊瑚礁」の、リ・レコーディング・バージョンです。

音作りについては、オリジナルを手掛けた大村雅朗の編曲を大枠で踏襲している印象です。その上でコーラスワークやシンセサウンドによって、より爽やかに、より透明感のある音像へとブラッシュアップされています。

また特筆すべきは何と言っても、41年という時を経てなおオリジナルのキーで高らかに、パワフルに、のびのびと歌い上げる、松田聖子という稀代のシンガー。瑞々しさに満ちた「永遠のアイドルっぷり」に、聴き手はもう脱帽するよりほかありません。

【我ら音楽マサイ族】
UKフュージョンの代表格、10枚組BOXで登場。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今年2月にリリースされたこちらのボックスセットです。

The Complete Polydor Years 1980-1984/Level 42 (CDSOL-70973)

Level 42はイギリスのジャズ・ファンク、フュージョン・ポップを代表するバンド。1979年に結成され、80年にレコードデビュー。本国における人気はもちろんのこと、アメリカでもチャートインを果たすほどの大ヒットを放っています。

今回、彼らの初期の活躍を網羅したCDボックスが登場。まず2月に海外盤としてリリースされており、追って3月にはSOLIDから国内流通仕様にて世に出ています。

初期のアルバム5タイトルの最新リマスター、シングルA・B面、12インチリミックス、ボーナス音源の数々、これらをギュッとCD10枚にコンパイルしています。

なお国内流通仕様においては、セットのタイトルに「Vol.1」が追加されています。つまり、これ以降の、よりポップに変貌した時代をまとめた続編がリリースされる予定となっており、こちらも期待大です。

【我ら音楽マサイ族】
発売から40年目の『ロンバケ』超豪華ボックス。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月21日にリリースされたこちらです。

A LONG VACATION VOX/大滝詠一 (SRCL-12000~12008)

1981年3月21日に発売され、オリコン最高2位を記録したミリオンアルバム『A LONG VACATION』。「君は天然色」「恋するカレン」「さらばシベリア鉄道」など、傑作揃いの全10曲で構成されています。

日本語ロック黎明期に活動したフォーク・ロック・グループ「はっぴいえんど」の解散が1972年、のち自身のレーベル「ナイアガラ」を74年に設立。こうしてソロ活動を精力的に行っていましたが、当時はまだまだ大滝の名を誰もが知っているわけではありませんでした。そしてこの『A LONG VACATION』において、彼は一躍時代の寵児に躍り出たのでした。

もとより音質にこだわりのある彼のこと、このアルバムはリリース20周年、30周年と、節目ごとに「記念リマスター盤」が作られるのが通例となっていました。その時点における最高のマスター素材、最高の機材、最高の技術をもって、さらに未発表音源をボーナスに加えてファンの手元に届けられ、そのたび「ナイアガラー」と呼ばれる大滝フリーク達は狂喜乱舞するのでした。

大滝氏は2013年に逝去。それを受けて、今回の「リリース40周年記念リマスター盤」はこれまでにない豪華な仕様で発売されました。それが『A LONG VACATION VOX』。

肝心のオリジナルアルバムは、新たなマスターテープからリマスターされた最新音源。ボーナスCDとして、DJスタイルの「Road to A LONG VACATION」、貴重なレコーディングセッションを収録した「A LONG VACATION SESSIONS」、『ロンバケ』周辺の蔵出し音源をまとめた「A LONG VACATION RARITIES」。以上4枚のCDに加え、5.1chサラウンド音源とハイレゾリマスタリング音源を収蔵したブルーレイ1枚、リマスター音源使用の30cmアナログレコード2枚、同じくカセットテープ1本、60ページにも及ぶブックレット、当時の告知ポスター・販促グッズ・イラストブックなどの復刻版、アルバムジャケットデザインの大型缶バッジ…と、驚嘆すべきボックスセットとなっています。

ここまでおなかいっぱいでなくてもよい…という向きには、オリジナルアルバムと「Road to A LONG VACATION」のCD2枚組『A LONG VACATION 40th Anniversary Edition』(SRCL-12010~12011)も同時リリースされていますので、気になるみなさんは今すぐチェックを。

【我ら音楽マサイ族】
夭逝の伝説的俳優、そして歌手。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月10日に再発されたこちらのベスト盤です。

Yusaku Matsuda 1978-1987 MEMORIAL EDITION

1989年公開の映画「ブラック・レイン」でハリウッドデビューを果たし、圧倒的な存在感を見せつけた松田優作。世界に向けてますます活躍が期待されていた、まさにその年、彼は40歳という若さで病に倒れ、帰らぬ人となりました。89年11月6日のことでした。

彼は俳優として活動する傍ら、歌手としても数多くの作品を遺してきました。そして、そんな彼の追悼盤として90年2月21日にリリースされたのが、『Yusaku Matsuda 1978-1987』。15曲を収録したベスト盤です。

今回この追悼盤が最新リマスターにて再リリースされました。CD1枚仕様のリマスター盤とともに、『MEMORIAL EDITION』なる特別仕様も同時発売されており、断然後者のほうが魅力的です。

まずメインとなる再発ベスト盤が1枚。そして87年のアルバム『D.F.Nuance Band』からの貴重な未発表テイクを3曲収録したボーナスCD。さらに今回の目玉となるのが、当初のリリース日(90年2月21日)に関係者のみで行われたシークレット追悼ライブの模様を収録したDVDです。

この映像、出演者は新井英一、石橋 凌、竹田和夫、原田喧太、宇崎竜童と錚々たる顔ぶれが登場する中で、原田芳雄、桑名正博、ジョー山中といった故人によるパフォーマンスも収められています。この「別れの宴」の一部始終は実に貴重な記録であり、この度の再発の価値をさらに高めていると言えます。

【我ら音楽マサイ族】
シリーズ全作に楽曲提供、そして完結を飾る佳曲。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらのCDです。

ONE LAST KISS/宇多田ヒカル (ESCL-5488)

表題曲の「ONE LAST KISS」は、3月8日に公開されたアニメーション『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の主題歌として制作されました。宇多田ヒカルはこれまでにも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』においてもテーマ曲を手掛けていて、今回はそれらに続いての担当となります。今作をもってシリーズ完結となるため、彼女は劇場版全シリーズに楽曲を提供したことになります。

自身が「エヴァンゲリオン」に深い思い入れがあるということもあり、この「ONE LAST KISS」にも並々ならぬ力が注がれていることが分かります。主題歌としての出来栄えもさることながら、映像から切り離して聴いても楽曲としての魅力が際立っています。多くを説明しすぎない歌詞の中で、大切な人との別れを必然とする愛の歌が紡がれます。そして詞の世界に寄り添う美しくも切ないメロディーも琴線に触れます。

なお、このCDはEP盤としての位置付けになっており、「ONE LAST KISS」の他に既発曲のリマスターなど全8トラックが収められています。

【我ら音楽マサイ族】
彼こそは「タンゴの破壊者」にして「タンゴそのもの」。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今日リリースされたこちらのCDです。

リベルタンゴ ~ ピアソラ・フォーエヴァー/オムニバス (UCCS-1293)

アストル・ピアソラは1921年にアルゼンチンで生まれた作曲家にしてバンドネオン奏者。バンドネオンとは蛇腹を持つ鍵盤楽器で、その形状はアコーディオンを連想させますが、アコーディオンが左右非対称であるのに対し、バンドネオンは左右対称です。アコーディオンは左手だけで蛇腹を押し引きしますが、バンドネオンは両手でそれを行うため、より音にメリハリが付けやすいという特徴があります。

コンサーティーナという楽器に改良を加えて、19世紀のドイツで生まれたバンドネオンは、20世紀初頭までにはアルゼンチンへ大量に持ち込まれ、それ以来アルゼンチン・タンゴに欠かせない楽器として定着しました。こうしてタンゴの「伴奏」のために使われるのが通例となっていたバンドネオンを、音楽の「主役」としてフィーチャーすることを思いついたのが、ピアソラです。

タンゴを基盤として、そこにクラシックの構造やジャズの要素を採り入れ、既存のタンゴの概念を覆し続けた彼の評価には、常に賛否両論が入り混じっていました。「タンゴの破壊者」「踊れないタンゴ」「20年早すぎた」と言われ、タンゴの本流とは違う彼の音楽は、それでもアルゼンチンというローカルのしがらみを軽く越えて、世界的な高評価を得るに至っています。

今年はピアソラ生誕100周年ということで、それを記念したCDリリースが実現しました。「リベルタンゴ ~ ピアソラ・フォーエヴァー」もその中の1枚で、ピアソラが作曲した器楽曲・オーケストラ曲を含む代表作が、それぞれ名演によって収められている、珠玉のオムニバス盤です。

同時発売として、彼がフィリップスとポリドールに遺したレア盤7タイトルも、全て高音質CDでリイシューされました。合わせて8枚、この機会にピアソラの世界を覗いてみませんか。

【我ら音楽マサイ族】
「With コロナ」の世界に響き渡る、
華やかなるウィーンの調べ。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。

「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは先月27日にリリースされたこちらのCDです。

ニューイヤー・コンサート2021/ムーティ指揮、ウィーン・フィル [SICC-2221~2]

毎年恒例となっている世界的な音楽イベント、ウィーン・フィルによるニューイヤー・コンサート。現地時間の1月1日正午から、「黄金のホール」と呼ばれるウィーン楽友協会大ホール(ムジークフェラインザール)にて執り行われています。

世界中に大きな影響を及ぼし、今なお収束を見ない「コロナ禍」。その真っ只中で開催されることになった2021年のコンサートは、異例の対応を余儀なくされました。それは、「無観客」での実施。

今回で6度目の登壇となったリッカルド・ムーティは、この前代未聞の状況下においてもなお、持ち味の華やかさで古参オケの魅力を存分に引き出しました。ヨハン・シュトラウス2世をはじめとするシュトラウス一族によるポピュラーな楽曲群はもちろん、本コンサート初出となるスッペ作曲「ファティニッツァ行進曲」、ツェラー作曲「ワルツ 坑夫ランプ」、コムザーク作曲「ワルツ バーデン娘」など、聴きどころ満載。現在ウィーン・フィルと最も密接であると言えるムーティならではの、息の合った演奏がCD2枚に渡って展開されていきます。

ニューイヤー・コンサートのライブ盤は、「その年の1月中にCD化する」のが慣例のようになっており、今年は1月27日に日本国内盤が発売されました。海外仕様となるEU盤は、それより数日前にリリースされています。国内盤には日本語のライナーノートが封入されていますが、収録内容は海外盤も同一であり、実売価格に1,000円ほど差がありますので(海外盤が安い)、これはお好みに応じてお選び頂けばよいでしょう。