皆さま、こんにちは。鵜戸あすかです。
6月6日は二十四節気では芒種にあたる日ですね。近日中は、恵みの雨が降り続き、自然界が潤いに満ちていく美しさを感じています。
さて、先日のとても晴れた日に熊本県水俣市へお茶摘みへ行きました。
標高580mの石飛高原にある「天の製茶園」さんです。
農薬・化学肥料・除草剤を一切使わずに、体と心に優しいお茶づくりをされています。
山を登って登って、くねくね道を進みまして…。
ついた先には視界いっぱいに広がる若葉色の世界。
光をいっぱいに浴びて一枚一枚の若葉がキラキラと輝いていました。
まだ新しく誕生したばかりの初々しい新芽を前にそっと手を添えて、ご挨拶。
わぁ~とっても綺麗!
柔らかくて、小さくて、かわいくてとても綺麗な若草色をしています。
新芽は、立春から数えて88日目にあたる5月はじめくらいに出始めるそうです。
そして、この頃に摘んだお茶は一番茶といいまして”一番美味しい”と言われるお茶になるようです。葉が4、5枚開いた頃、上の方の1つの新芽と2枚の葉の状態の部分を摘むのが、極上のお茶の摘み方のようですよ。
1つの新芽+2つの葉=一芯二葉(いっしんによう)と言うそうです。(数学風)
今回は2カ所のお茶畑で、摘ませていただきました。
広場に戻ってみんなでティータイムです。
若葉を お湯呑み茶碗に 3枚くらいいれましてお湯を注いでフレッシュなお茶をいただきました。
お味は、”あおあお”としたお味で、香りはお茶そのものです。
お茶をいただいた後、残った葉もそのままいただきましたが小さな葉一枚にエネルギーが満ちている感じで…。お茶の葉3枚で元気メーターがいっぱいに。
お茶と手作りの水菓子をいただきながら、お茶づくりの質問をしたり、焙煎について説明をいただいたり、とても有意義で楽しい時間でした。
焙煎の仕方は、実際に大きな鉄鍋で実演してくださってみんなで教わりながら交代して実践しながら…。はじめての焙煎をしました。
全て手作業の中、愛情いっぱいで育ったお茶の葉はとてもとても あたたかい気持ちになる甘くて美味しいお茶となりました。みんなで、美味しいね~とお顔を見合わせてにっこりと。とても幸せなひと時となりました。
お家に帰るとすぐにお茶を自分で焙煎してみたくなって紙袋にいただいたお茶の葉を木のまな板に全部広げます。
そして…..しばし考えます…..。
あっ、複数の条件下で数種類のお茶をつくってみましょう。
お味は変わるのかしら?
好奇心から、比較対照実験をしてみました。
お茶について、わたしも学ぼうのコーナーです。
天の製茶園さんの天野さんが教えてくださったことによると生のお茶の葉は、摘採した時点から酸化酵素の働きによって発酵が始まり発酵をどの程度するかによりお茶の状態が変わるらしいのです。
わたしたちがいつもいただく緑茶、白茶、烏龍茶、紅茶は、それぞれ発酵の度合いの違いによってつくられているそうです。教えていただいたことを思い出しながら、条件を変えて、数種類作ってみました。
●放置時間
1.手で揉んだ後、すぐに焙煎にとりかかる
2.手で揉んだ後、24時間放置後 焙煎にとりかかる
●焙煎温度
1.弱火で時間をかけて行う。1時間近くかかりました(熱くなりすぎないように、手で混ぜました。天野さんが、触れるくらいの温度を保ちながら..と教えてくださいました)
2.高温、短時間で焙煎を行う
出来上がった結果は…?
すぐに焙煎にとりかかり、低温でじっくりと焙煎したお茶はとても甘くて、香りも良くて…。いれたお茶のお色はとても淡いお色。優しい優しいお味のお茶になりました。
対して、24時間放置後、高温で焙煎したお茶は、香ばしいお紅茶のようなお味で…。お色は、濃厚な琥珀色。
同じお茶の葉から、こんなにも異なるお茶になるなんて、驚きました。
とても楽しく、有意義な体験となりました。
熊本の大自然の中でたくさんの光を浴びてたくさんの愛情をうけて元気いっぱいに育ったお茶の木にまた会いにいきたいです。
梅雨に入り、雨の降る日が続きますね。お茶の時間で、時にはゆったりと…。
どうぞ皆さまご自愛くださいね。