第13回 香梅アートアワード巡回展覧会

お菓子の香梅が主催する「香梅アートアワード」受賞者の巡回展展覧会がスタートしております。

●香梅アートアワード 高木礼子さん(フラワーアーティスト)
 薔薇の棘を集めてつくったハイヒール、竹ひごでつくったドレス
 カラフルな試験管にドライフラワーを挿した作品など展示

●香梅アートアワード奨励賞 尾崎たまきさん(写真家)
 ライフワークで撮り続けている水俣の海(ヒメタツ)をはじめ、
 日本各地の海の生き物たち、保護される犬・猫たちの写真など

写真は、オープニングセレモニーでダンスを披露したタンゴダンサーの藤田真紀さん。

かなりのボリュームで贅沢な展示となっております。

作家のプロフィール、および、授賞理由などは、お菓子の香梅ホームページをご覧ください。

 

【スケジュール】

ドゥ・アート・スペース 帯山店  4月9日(土)~ 4月28日(木)

ドゥ・アート・スペース 人吉店  4月30日(土)~ 5月12日(木)

ドゥ・アート・スペース 菊池店  5月14日(土)~ 5月26日(木)

ドゥ・アート・スペース 光の森店 5月28日(土)~ 6月11日(土)

※光の森店の最終日のみ17:00までの開催となります。

第13回 香梅アートアワード

  創設から運営をお手伝いしている「香梅アートアワード」ですが、今年も贈賞者が決定し、水前寺成趣園「古今伝授の間」で贈賞式が行われました。

 長年の業績にわたり授与される「香梅アートアワード」は高木礼子さん(フラワーアーティスト)、これからの活躍が期待される「香梅アートアワード奨励賞」には、尾﨑たまきさん(写真家)に贈られました。

 お二人が手にしているのは「お菓子のトロフィー」。選考委員である日沼先生(女子美術大学)は、コロナの影響で昨年は出席がかなわなかったのですが、ようやくご参加いただくことができました。


 高木さんは、バラの棘でハイヒールをつくったり、フラワーアーティストという枠を超えて、様々な作品にチャレンジ。そして、尾﨑さんは、水俣や三陸の海を撮りつづけ、やわらかな感性でしなやかに社会問題への問題提議をし続けています。

 一昨年までは、100名近くが出席するパーティーが催されていましたが、水前寺成趣園での雰囲気もなかなか素敵です。実は、この「古今伝授の間」は、お菓子の香梅さんが管理を続けているのです。

 受賞者のお二人のスピーチも素晴らしく・・感動的なセレモニーでした。

【BOSS COLUMN】人吉での時間

 「第12回香梅アートアワード巡回展覧会」人吉店での展覧会がはじまりました。

  


 昨年は、コロナ禍の中、セレモニーなどはすべてとりやめ、展示だけを実施しましたが、その数か月後に7月豪雨。会場であるお菓子の香梅人吉店も被災しました。ただ・・ゆるやかな坂道のはじまりに店舗があり、駐車場スペースが広くて道よりも少し入り込んだところにあったことから、1m程度の浸水だったため、復旧も早かったようです。そんなこともあり、今年こそは、ぜひ人吉地域の親しい方々にもお集まりいただきセレモニーを開催したいと計画してありました。コロナウィルスが猛威をふるっていることもあり、最終的には、県外、および、県外との行き来をしていらっしゃる方々には出席をご遠慮いただき、選考委員のお二人、アートアワードを受賞した伊藤比呂美さんにはオンライン、映像で参加してただくことになりました。その他にも、消毒、キープディスタンスなど配慮を重ね、無事実施することができました。

 前日、準備が終わって、宿泊したのは「サンホテル人吉」。令和2年7月豪雨の直後、いち早く動いたボランティア団体、熊本支援チームの活動拠点となり、私も人吉・球磨地域のボランティア活動後、立ち寄らせていただいたことがありました。ブルーシートが敷き詰められて、若者たちが寝袋で寝泊まりしていたことを思い返すと、ちゃんとお客様を迎えられる状況であることを、とても灌漑深く感じました。

 けれど、昨年まで毎年宿泊していた温泉旅館は、まだまだ営業再開まで時間がかかるようで、かつ、いつも会食していたお食事処が廃業。まだまだ泥をかぶったままの建物も多く残っていたことに、現実をつきつけられました。自然災害はどこにでも起こりうる・・ けれど、その度に、自分ができることは何だろう・・想いを巡らせつつも、日々の仕事に追われていると、その意識が続かないことにも反省し、自分を情けなく感じてしまうこともあります。それでも、自分が自分の立場でできることを考えていきたいと思います。

【BOSS COLUMN】第12回香梅アートアワード巡回展覧会

 第12回香梅アートアワード巡回展覧会がスタートし、オープニングレセプションが開催されました。コロナ禍の中、昨年もアートスペースを併設する熊本県内4か所のお菓子の香梅を廻る巡回展覧会は開催されましたが、セレモニーなどは一切取りやめだったので、2年以上ぶりに、過去の受賞者や文化・芸術関係の皆様方とお会いすることができました。

 香梅アートアワードを受賞した詩人の伊藤比呂美さんは、東京でギリギリまで大学の授業がある・・ということで少し遅れてのオンライン参加。選考委員のおひとり、女子美術大学の日沼禎子先生にも東京からオンラインで参加いただきました。

 上記は、伊藤比呂美さんの作品年表! とにかく精力的に作品を発表し続けていらっしゃいます。今回、オンラインではありましたが、ご挨拶だけではなく、詩の朗読もしてくださり、そのエネルギー、カッコよさに痺れた参加者も多かったようです。こんなパワーある作家が熊本在住だということは、本当に誇らしいこと。展覧会では、年表の他にも、伊藤さんがお散歩のときにスマホで撮影した写真に言葉を添えたパネルの展示してあります。

 今回、蔦屋書店が全面協力してくださることになり、香梅アートアワード期間中、伊藤比呂美さんの本のコーナーを特設してくださることになりました。熊本県内17か所で実施される予定ですので、この機会に、ぜひ、このパワー溢れる作家の世界に触れてほしいと思います。

 それから、香梅アートアワード奨励賞を受賞した前田由佳理さんは、銅版画で生活のにおいがする作品をたくさん発表されています。今回のオープニングセレモニーでは、作品をつくるための道具やプロセスがわかる写真などもお持ちくださり、わかりやすく解説してくださいました。お菓子の香梅帯山店の赤い壁に、セピア色の版画はとても似合いました!

 蔦屋書店熊本三年坂では、前田さんの版画をつかったバッチ、髪飾りなどを販売するポップアップショップも開催される予定です。

 

 そして、東京からオンラインで参加してくださった日沼先生は、中央からいる香梅アートアワードの意味、価値などについてお話しくださいました。過去の受賞アーティストたちが活躍しているのは、心からうれしいです。

 

やっぱり人と会って、表現について話ができるのは楽しいし、幸せな時間だなーと思いました!

 

【香梅アートアワード巡回展覧会】今後のスケジュール

※帯山店  2021年4月10日(土)~4月29日(木)

※人吉店  2021年5月1日(土)~5月13日(木)

※菊池店  2021年5月15日(土)~5月27日(木)

※光の森店 2021年5月29日(土)~6月12日(土)

 → 営業時間は店舗によって変わります。

 

【アートアワード奨励賞受賞者たちの活躍】

※蔵野由紀子さん

  つなぎ美術館  4月24日~7月25日

  香梅アートアワード奨励賞二人展 蔵野由紀子 佐野直リフレクション

※佐野直さん

  なかお画廊 4月16日~4月27日

  佐野直さん、岩永ひろみさん(長崎出身)と二人展

  つなぎ美術館  4月24日~7月25日

  香梅アートアワード奨励賞二人展 蔵野由紀子 佐野直リフレクション

※松岡優子さん 熊本日日新聞 一筆 連載中 

  アート、表現による様々な可能性にチャレンジしている様子を紹介

※宮本華子さん 

  熊本市現代美術館 3月27日~6月13日

  段々降りてゆく ~九州の地に根を張る7組の表現者

門田奈々さん 初の作品集「やわらかなひかりたち」  オールカラー42頁

  B5サイズ  🔹 本体価格 ¥2,200(税込) 上野窯のみでの扱い

  2008年から2020年までの作品計71点を掲載

武内明子さん 

  100歳になる野見山暁治(ぎょうじ)先生と二人展 5月9日まで

 《遠くつながる この空と》

  埼玉にあるギャラリー〈さんかく舎〉で、二人展を開催します。

 (日本の洋画家。勲等は文化勲章。東京芸術大学名誉教授、文化功労者。)

櫻井貴容子さん

  4.21 ~ 27 【ドローイング】大阪 阪急うめだ本店 10階うめだスーク中央街区

  5.11 ~ 24 【ドローイング】東京 西部渋谷店 A館 5F PROMOTION SPACE

  6.23 ~ 29 【ドローイング】熊本 鶴屋百貨店 東館1階イベントスペース

 

 

 

【BOSS COLUMN】第12回 香梅アートアワード

 創設からお手伝いしている、熊本ゆかりの女性芸術家を顕彰する「香梅アートアワード」。
 今年は、「香梅アートアワード」   伊藤比呂美さん(詩人、作家)
     「香梅アートアワード奨励賞」前田由佳理さん(版画家)に決定しました。

 これまでの贈賞式は、お菓子の香梅さんと親交のある在熊の芸能人の方々が集まってのパーティーの中で実施されていましたが、今回は密を避けて・・ということで、お菓子の香梅さんが管理している古今伝授の間(水前寺成就園)で開催されました。選考委員は、日沼禎子さん(女子美術大学教授)、楠本智郎さん(つなぎ美術館 主幹学芸員)、副島隆さん(お菓子の香梅 会長)

 伊藤さんは、アメリカ(カリフォルニア)と熊本、そして、東京を行ったり来たりの暮らしだったようですが、現在は、コロナの影響もあり、ずっと熊本で過ごしていらっしゃるとか。私自身、とても若い頃から存じ上げている方ではありましたが、初めてお会いできて、とても感激でした。また、前田さんも、作品やご活躍は存じ上げていましたが、お会いするのは初めて。お二人とも、ご挨拶もとても素敵でした。

 お二人の巡回展覧会は、毎年よりも少し遅いタイミングで・・2021年4月10日(土)お菓子の香梅 帯山店からスタートし、6月中旬まで、アートスペースを併設している、人吉店、菊池店、光の森店を巡回します。

 これから、巡回展覧会の打ち合わせ、パンフレットの制作に取り掛かっていきますが、お二人にお会いできる時間がとても楽しみです。


■香梅アートアワード     
伊藤比呂美 (いとう ひろみ)詩人・作家

伊藤比呂美氏は、旺盛な好奇心によって得られる経験を現代詩の枠を超えた文学として世に送り出してきました。時には破滅的な予感がともなう事態をも厭うことなく大胆に受け入れ、自身の身体性を問い直すかのように、皮膚感覚に近くとも既視感のない言葉の世界を紡ぎ出しています。性別にとらわれない魂の自律を尊ぶ妻や母や子の視点をもって、生と死、老いと介護など社会と個人が直面する切実な問題を取り上げた作品の数々は、多くの人々の共感を得ています。また、2008年には熊本文学隊を旗揚げし、有志とともに熊本における文学の発展に寄与してきました。これら長年の功績と言語表現の世界に果敢に挑み続ける文学者としての精神をたたえ、「香梅アートアワード」を授与します。

■香梅アートアワード奨励賞   
前田由佳理(まえだ ゆかり)版画家

前田由佳理氏は、数々の著名な版画コンクールでの受賞により、注目される版画家のひとりです。その独自の感性によって作り出される作品は、一度出会ったら忘れることのできない、強い印象を人々に与えます。生活(消費・消耗)というフィルター経由し、不要なものとして片付けられ、捨て去られてしまうものたちと、それらがまるでなかったかのように、虚ろな目、素知らぬ顔でまた次の生活(消費)へと移動する人間たち。エッチングによる緻密な描写、インクによる彩色、雁皮のコラージュから生まれるセピアがかった独自の風合いが、私たちの「今」という日々の集積を、普遍的な時間軸へと昇華させています。こうした独自の表現への真摯な取り組みを高く評価するとともに、今後のさらなる飛躍を期待し、前田由佳理氏へ、「香梅アートアワード奨励賞」を授与します。

(代表取締役 浜島玲恵)