【BOSS COLUMN】人吉での時間

 「第12回香梅アートアワード巡回展覧会」人吉店での展覧会がはじまりました。

  


 昨年は、コロナ禍の中、セレモニーなどはすべてとりやめ、展示だけを実施しましたが、その数か月後に7月豪雨。会場であるお菓子の香梅人吉店も被災しました。ただ・・ゆるやかな坂道のはじまりに店舗があり、駐車場スペースが広くて道よりも少し入り込んだところにあったことから、1m程度の浸水だったため、復旧も早かったようです。そんなこともあり、今年こそは、ぜひ人吉地域の親しい方々にもお集まりいただきセレモニーを開催したいと計画してありました。コロナウィルスが猛威をふるっていることもあり、最終的には、県外、および、県外との行き来をしていらっしゃる方々には出席をご遠慮いただき、選考委員のお二人、アートアワードを受賞した伊藤比呂美さんにはオンライン、映像で参加してただくことになりました。その他にも、消毒、キープディスタンスなど配慮を重ね、無事実施することができました。

 前日、準備が終わって、宿泊したのは「サンホテル人吉」。令和2年7月豪雨の直後、いち早く動いたボランティア団体、熊本支援チームの活動拠点となり、私も人吉・球磨地域のボランティア活動後、立ち寄らせていただいたことがありました。ブルーシートが敷き詰められて、若者たちが寝袋で寝泊まりしていたことを思い返すと、ちゃんとお客様を迎えられる状況であることを、とても灌漑深く感じました。

 けれど、昨年まで毎年宿泊していた温泉旅館は、まだまだ営業再開まで時間がかかるようで、かつ、いつも会食していたお食事処が廃業。まだまだ泥をかぶったままの建物も多く残っていたことに、現実をつきつけられました。自然災害はどこにでも起こりうる・・ けれど、その度に、自分ができることは何だろう・・想いを巡らせつつも、日々の仕事に追われていると、その意識が続かないことにも反省し、自分を情けなく感じてしまうこともあります。それでも、自分が自分の立場でできることを考えていきたいと思います。