みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。
「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは今月1日に再発売されたこちらのCDです。
グレン・ミラー作戦/原信夫とシャープス&フラッツ (KICJ-851)
テナーサックス奏者の原信夫(本名:塚原信夫)氏は1926年生まれ。尋常小学校時代にコルネットを手にし、のち機械工業青年学校のブラスバンド部でテナーサックスに出会いました。
50年にジャズバンド「ムーンライト」にテナーサックスで参加し、その後リーダーに就任。芸名を「原信夫」に改め、バンド名も「シャープス&フラッツ」へと一新しました。
以降、カウント・ベイシー、北村英治、前田憲男など、有名ジャズマンらと共演し、江利チエミや美空ひばりのコンサートでの演奏やレコーディングにも多数参加しています。さらに1963年以降は「NHK紅白歌合戦」での伴奏など、放送メディアにも活動の幅を広げました。
こうして和製ビッグバンドの代表格となっていったシャープス&フラッツが、大躍進の真っ只中、62年にリリースしたアルバムが、このたびCD再発売となった『グレン・ミラー作戦』。そのタイトルが示す通り、グレン・ミラーの名曲の数々を独自のアレンジで聴かせる一枚です。ゲストメンバーとして、日本最古のビッグバンド、ブルーコーツオーケストラの面々も参加しており、洒脱な演奏を繰り広げる全12曲。
シャープス&フラッツのリーダー、原信夫が今年6月に94歳で逝去したことを受け、今回緊急復刻となった本企画。同時発売で、63年に同様のコンセプトで発表された『ベニー・グッドマン作戦』(KICJ-852)も再発売されています。日本が誇るビッグバンドの粋なサウンドを、いま一度堪能してみてはいかがでしょうか。